―異形― 八歳の僕

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  記憶にある 兄と僕との[兄弟らしい]想い出 初めてで最後の想い出 いつ両親から僕の体について真実を聞いたのかはわからない。 この日から 兄は更に厚い[苫篠]という面をつけてしまった。 面からは 全く体温なんか感じられない。 僕の目の前で表情や感情を表してくれることはなくなってしまった。 母は 何も言わなかった。 いつもと変わらない他人行儀な日常。 だけど お風呂の介助はこの後もずっと続くことになる。 ただ 小さな頃から介助してくれたお手伝いの正木さんに代わり身内の男性が介助になるのは この少しあとになる。
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