―異形― 九歳の僕

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  そして 僕の学校。 あのトイレ事件から皆に一線を画して過ごしてきた学校生活。 僕の元々の雰囲気なのか 厳しい稽古がそうさせたのか自分ではわからない。 数少ない友達(話せる同性)に言わせると 僕の回りにはピンと冷たい空気が張っているらしいんだ。 近付き難いとも言っていた。 同級生の男の子が持っていない不思議な感覚が女の子にはウケたみたいで少しずつ存在が認められていった。 僕を認めてくれる人数が増えれば増えるほど 少数の[嫌悪組]も認めざるを得なくなった。 学校で問題を抱えるのは嬉しいことではないから、こっちにしては有難い。 だけど 地下に潜った僕に対する[嫌悪]が姑息な手段で出口を探していることにまで考えが及ばなかった。
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