第六章 後編

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しかし俺は気付いた カレンの表情が何時ものような優しく柔らかいものとは違い どこか物悲しく、かたい表情をしていた それはカレンだけではなくこの病室を包んでいる空気にも含まれていた どうしたのだろうか、と聞きたいのだが 声を出すのもつらい まぁ少なくとも俺には解らない だから俺に言いたいことがあれば誰か言うだろう 最近楽天的に考え過ぎかもしれない気がする 結局俺はカレンの治癒に身を任せて目を閉じた しかしいくら眠たくても今まで寝ていた身ではそうそう眠れないらしい しかし皆は俺が眠ったと思ったのかぽつりぽつりと言葉を漏らしはじめた
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