第一章 前編

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朝食時でさえ多少顔を赤らめていたフィーネ。 風邪か? と尋ねたが母さんに笑われたのでそれ以上聞くのは止めた。 何時も朝食は少量しか食べない俺は直ぐに終了し、洗面所に向かう。 そして備え付けの青い魔石に少しだけ魔力を込めて洗面器に水を貯めて顔を洗った。 そしてまだ朝食中のフィーネを横目に自分の部屋に行き鞄をもち魔法発動用の銀の指輪を右手の中指に嵌めてリビングに戻った。 「待ってよ!」 フィーネは丁度食べ終えたらしく慌てて洗面所に向かっていく。 その姿を見て苦笑いをする反面 一人で行きたいとも思う。 このままだとアルや他の友達が迎えに来るかもしれない。 正直それは避けたい しかしこのままフィーネを待っていたら必ず来るだろう。 俺は…先に行く事にした。 後でフィーネに色々と言われるかも知れないが仕方がないだろう。 そっちの方がまだマシだな。 そう結論付けて先に家を出ようとしたが。 「ライル!フィーネ!迎えに来たよ!」 ドアの向こうからアルの声が聞こえた。
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