第一章 前編

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「でね、A組って自信家ばかりなのよ」 「だよな、皆ピリピリし過ぎなんだよ」 「告白してくるならもっと下手に出なさいよって話よね」 「ああ、全くだ!ムカつくんだよな」 家を出てからずっと二人は愚痴を言い続けていた。 俺は半分スルー フィーネは苦笑い アルはニコヤかに 完全に性格が出ていたりするが、レベッカもロイも気にせずに話続ける。 俺も何時もならこのままスルーし続けて学校に着く筈だった。 しかし… 「別にモテたいわけでも、先生に誉められたいわけじゃないのよ」 「だよなぁ、俺だってそうだ。ただ皆で笑っていけりゃそれでいいってのに」 「レイもカレンもミーナも同じこと言ってたよ」 「はぁ…俺は友達と遊んでられるなら『普通』で良かったよ」 「私も、今みたいに忙しいのは嫌よ。…『普通』だったら楽だったのに」 その会話は無視できなかった。 普通が良かった? 何を言ってるんだ? 普通の辛さも苦しさも知らない奴等が… そう思った、思ってしまった瞬間、俺の中で我慢していた何かが爆発した。
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