第一章 前編

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「二人とも今なんて言った?」 「え?」 「ん?」 今まで一言も話さずに話を聞いていた俺が話しかけたことに驚いたのか、はたまた違和感を感じたのか分からないが、 俺はそのまま続けた 元より返事が欲しかった訳じゃない。 「今普通が良かった、って言ったよね」 それはもう質問ではなく断定。 「お、おう。言ったけど」 それがどうかしたか? とロイが続ける前に、俺の感情が言葉を発するのが先だった。 「普通の奴の気持ちも知らないで何言ってんだ!!!」 俺すらもこれ程の怒声を出したのは久しぶりだと感じるのだ。 周りの驚きも半端では無いだろう。 しかしそんなこと、今の俺には関係無かった。 「お前等見たいな天才が普通の何が解るんだ!!どれ程努力しても追い付けない奴の気持ちが解るのか!!?解る分けないよな!?俺が死に物狂いで頑張ってやっと出来ることを片手間程度に出来るお前等に解るわけがない!!」 ロイとレベッカだけじゃない。 アルもフィーネも目を丸くしている。 余程俺が大声で叫んでいるのが珍しいのだ。
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