第一章 前編

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まだ多少憤ってはいたが取り敢えず声のした方を見ると。 「…レイ」 「ライ…ル」 何時も無表情のレイの表情には不安の色がうっすらと見えている。 「今のは本当な…の?」 全て聞いていたと言うことだろう。 俺は肯定の意味で小さく頷き、直ぐに学校に向かった。 まだ胸がムカムカする。 あれほど叫んでもまだ貯まっているのか、と思うと更にイライラした。 …多分 こんなことを思っていた自分にイライラしてるんだ。
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