第六章 後編

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待合室に皆がうなだれて座り込んでいた 少し言いにくかったが、これがライルのあの言葉がなければこんな思いもしなかっただろうが 「皆、話があるんだ」 静かな待合室では、普通の声で話してもかなり大きく聞こえる 皆はゆっくりとだが、僕の方を見てくれた 「…僕と一緒に居たカレン達なら聞いたと思うんだ…ライルが【ヘルヴェール】と叫んでいたのを」 僕の言葉で思い出したのか、三人が頷いた レベッカ達は首を傾げたりしていたが、話を進める 「ライルが叫んだ【ヘルヴェール】という言葉はお伽話の【やみのまじょ】に出て来る闇の魔女その人なんだ」 「でもあれはお伽話で」 カレンがそう呟いたが、僕は首を左右に振って否定した 「確かに一般に広まってるのはあくまでもお伽話だけど実際は違う。あれは実話だ、王家と公爵家にしか伝えられていない真実があるんだ。その真実の中にあったんだ。お伽話の魔王を生み出したのは闇の魔女、ヘルヴェールだと」
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