第六章 後編

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これが広く一般に話されているお話 「やみのまじょが兄様と居る、ってこと?」 「あくまでも推測だけどね」 フィーネの言葉に頷いて答えた 「じゃあ次の魔王候補がライルってことなの?」 レベッカのその言葉に皆に緊張が走る このままではライルが魔王になる いや、魔王にさせられてしまう そうなれば否応無く人類の敵になってしまう 皆泣くのを止め、一様に黙り込む その沈黙を最初に破ったのは、レイだった 「ライルを…魔王になんか…させない。…でも、もし魔王になったなら…私はライルの味方になる。全ての人間の敵になる」 そのレイの言葉に息を呑む音が静寂の空間に響いた 「わ、私も!私もライルの味方になるの!」 シェルも挙手をしながらレイの言葉に続いた …僕達の中でも特に盲信的にライルを信じている二人なら当然の言葉なのだろう …僕だってライルの味方でいたい でも、二人のようにハッキリと言えない 「う、ウチはわからへん。ウチは…ライルが魔王になったら…」 普段明るいミーナ しかし今は涙で頬を濡らし、好きな人の味方を出来ると言えない事が苦しいのだと表情にありありと出ている 「俺が!俺が止めて見せる!!ライルをぶん殴ってでも魔王になんかさせねぇ!!」 ロイはいきなり立ち上がり、皆にそう言った それはロイの決意 それは、己への約束 僕はつい口元が緩んでしまったが、引き締めロイのように立ち上がった 「僕もだ。ライルを魔王になんかさせないよ」 僕の言葉にカレンとフィーネも頷いてくれた ライル、君を魔王になんかさせない 君は、僕達の…太陽なんだから   ~アルフォード視点END~
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