第六章 後編

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「な、なんで魔王に…あれはあの戦いを止める為に、一時的に」 うろたえる俺の瞳を、ヘルヴェールはまるで矢を射るかのように真っ直ぐ見詰めた 『しかし、魔人や魔物の統率さえとれていればあのような事態は起きなかったかもしれません。今回のような事もしかり、です』 なにか言い返さなければ、そう思った俺 しかし、何故かその思いは消えた あの戦いの時のように、身体の中に何かが入り込んだような 心を侵食されるような感覚と共に、その思いは消えたのだ 『お願い致します…魔王になってください』 その言葉を聞いた俺は、気付けば縦に首を振っていた 「…俺はなるよ、魔王に」 肯定の言葉を、了承の言葉を聞いたヘルヴェールは笑顔になりながらも 更に涙が溢れ出していた 『ライル様、これで私は…私は』 ヘルヴェールが何か言おうとしているなか、少しずつ意識が遠退いていく これは現実で目覚める症状だ そして、俺の意識は完全に暗闇から消えて行った 『ふ…ふふふ…フフフハハハハハハハハハハ!!!』
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