第六章 後編

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何か声をかけるべきか、そんなことを思いながら上半身に走る痛みと戦っていると 「どうしたのお母さん!?」 勢いよく病室のドアが開き、ドアが壁にぶつかる激しい音が耳に痛く響いた 「フィ、フィーネ」 俺は掠れ声で助けを求めたのだが、フィーネは俺の声を聞いてすぐさま俺の顔を母さん同様に見て 大声で叫びはじめた 「あ、兄様が目覚めたよ!!」 ドアの向こう側に続く真っ白な長い廊下に異常な程声が響き アル達がバタバタと走る音と、数人の看護師さんが怒りながらこの病室に向かって来る足音が聞こえた どうやら皆には怪我人を労るつもりが無いらしいな …興奮しすぎて誰も気づいてないだけだろうけどな
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