第六章 後編

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看護師さんのお叱りの言葉に皆で謝り、事なきを得た そして今は静寂に戻り、皆はベッドの周りに椅子を持って来て座ったり 窓枠に座ったりしていた そしてカレンは俺の横に座り胸の傷に治癒の魔法をかけ続けてくれていた これほどの傷を一瞬で治すことは可能だが、それは身体に多大な負荷がかかる 最悪治癒の筈が寿命を縮める事もある だからこそ病院側もカレンもゆっくりと治癒をしているのだ しかしこれがかなり気持ち良かったりする 治癒の魔法というのは治癒している人間の気持ちが篭る、なんて説がある つまり治癒している人間が優しい気持ちであればあるほど、治癒されている方は気持ちいいと 今はまさにそれ まるで一日中歩いた後に温泉にでも浸かったような感じがする 胸だけでなく身体全体が温かくなり、安心するような つい、うとうとしてしまう
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