第六章 後編

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「…お母さんに言った方がいいかな?」 最初に聞こえたのはどこか遠慮がちに小さな声で話すフィーネの声だった 「ショックをうけたとき俺達にはなにもできなくなるからな…ライルに確認してからの方がいいんじゃねえか?」 それに答えたのはロイ 何時ものような覇気のある声じゃなかったのが気になる そのまま話は続いていった 「だったらおばさんに聞かれたらマズイってことだね…」 アルがそう言ったと同時に誰かが立ち上がったような音がした 「…ウチが適当に連れ出す、その間に話しといて」 そのミーナの声が一番不似合いだった 明るさのかけらも無い、一定のテンションで話すミーナ こんな声を聞いたのは何年ぶりだろうか 会ったばかりの時はこんな声だったが… 目の前は目を閉じているので真っ暗だが、何故か昔のまま大きくなったミーナの姿がありありと見えたような気がした
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