第六章 後編

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「…ライルを止められるかな、私たち」 「大丈夫だよ、僕達ならきっと止められる」 二人の声もやはり深刻な、何時もとは違う弱々しい声に聞こえた どうやら皆テンションが低いらしい 俺がこうなったせいか? それに俺を止めるって何を? うとうとしていた筈の意識が少しずつ覚醒していく 重かったように感じていた筈の瞼も軽くなり、目を開けることも容易になってきた それでも寝たふりを続けていようとしたのだが 「…ライルさん?起きたのですか?」 俺を近くで見ていたカレンには気づかれてしまったようだ そのカレンの言葉に、今まで以上に病室内が緊迫した空気になってしまった そして皆の視線が完全に俺に向いているのがわかる …もうこれ以上寝たふりは無理らしい 俺はゆっくりと瞼を開いた
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