第六章 後編

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そして見えるのはカレンの悲しそうな表情と、皆の強張った顔だった 「…俺を止めるって何?」 俺の第一声がこれでは皆が驚き何も言えないかもしれない それでも気になるものは聞かないと何か胸辺りにしこりが残った感じがする 物言わぬ時間は数秒か数十秒か 正確には解らないが 最初に言葉を発してくれたのはアルだった 「…ライル、君は魔王になるのかい?」 「なっ!?」 真剣な表情で俺にそう言ったアル まさか俺の頭の中が読めるんじゃないか ついそんなことを考えてしまう 魔王になるとヘルヴェールに言ったのは今日、夢の中でだ なのにアル達がそのことを知っているというのは… 混乱し始めた俺の右側に、まるでずっとそこに居たかのようにヘルヴェールが立っていた
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