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この二人が来ると、廊下や教室にいる生徒がざわつく。
ライルはそれに気付いていたが無視して席を立ち、鞄を持って教室から出た。
「帰ろうか」
「ああ」
アルフォード…アルの言葉に簡単に返事をしたライルはアルとフィーネの間を抜けて階段を降りていった。
勿論二人は後ろから着いてきていた。
ライルには劣等感が毎日襲い掛かっていた。
出来の良い義妹。
完璧人間の親友。
他の友達も天才や神童と呼ばれた者ばかり。
では俺は?
友達にも親友にも、義妹にまでも勝てない。
勉強も、魔法も、格闘も
何一つ勝ったことはない。
それが悔しいと思い出したのは高等部に入った頃から。
入学式当日のクラス別けの時だった。
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