第一章 前編

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この二人が来ると、廊下や教室にいる生徒がざわつく。 ライルはそれに気付いていたが無視して席を立ち、鞄を持って教室から出た。 「帰ろうか」 「ああ」 アルフォード…アルの言葉に簡単に返事をしたライルはアルとフィーネの間を抜けて階段を降りていった。 勿論二人は後ろから着いてきていた。 ライルには劣等感が毎日襲い掛かっていた。 出来の良い義妹。 完璧人間の親友。 他の友達も天才や神童と呼ばれた者ばかり。 では俺は? 友達にも親友にも、義妹にまでも勝てない。 勉強も、魔法も、格闘も 何一つ勝ったことはない。 それが悔しいと思い出したのは高等部に入った頃から。 入学式当日のクラス別けの時だった。
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