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やがて葬式も終わり、娘は親戚の家の世話になる事が決まり、
親族話し合いの結果、住んでいた家屋は取り壊される事になりました。
娘も進学校が決まり、気持ちの上でも落ち着いてきた頃、家屋の取り壊しが始まりました。
解体中の作業員が昼メシ時に弁当の包みを広げながら床下の一部分だけセメントで固められているのを発見し、午後の作業と同時にセメントの部分をバールで掘り返してみたところ、何やら白っぽい棒のようなものが見えてきます。
引き続き掘り返しているうちに作業員は腰が抜けんばかりに驚きました。
何と人骨です。
早速、警察に通報され、掘り返してみると人骨は手を上にかざして、まるで地上にある何かに掴みかかろうというかっこうをしています。
死後、推定15年前後のものと判断されましたが、セメントで固められていたためか、白骨は原形をとどめていました。
頭蓋骨に陥没の後がある事から他殺として捜査され、身元調査の結果、歯形などから15年前に捜索願いの出ていたこの家の母親と判定。
そうです。
数ヶ月前に死んだこの家の父親は、15年前の未明に異性問題が原因で妻と口論になり、ハンマーで妻を撲殺、何食わぬ顔で捜索願いまで出していたのです。
父親が毎晩のようにうなされていたのは、良心の呵責からでしょうか。
娘が目にした、畳から生え出るような手は母親の怨念の現れなのか。
父親が死亡したその日は、母親が殺された日であり、時効成立の日でもある事など、
誰の知るところであろうか …
完
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