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なぜ見ず知らずの子供に
そんなことを言われなければ
ならないのだろう?
そんなことを思っていると、
「うそね。私のこと 知ってるくせに!」
心を読んだとしか思えない
タイミングで幼女が叫んだ。
だが、覚えがない。
金髪の幼女なんて、
道端ですれ違えば嫌でも目につく。
私はお茶を諦め、
雑誌だらけのベットに腰掛けた。
「何でこんな小さい子が私の家に、そして私の部屋にいるのか分からないけど、敢えてツッコミはなしね」
少女は神妙な赴きで頷く。
先程の子供っぽさは
すでになかった。
お手本のような正座をして
座っている。
息を大きく吸って深呼吸。
それを数回繰り返し…
「私はあなたを知りません」
とキッパリ言ってやった。
目の前の少女は
涙目になって私を睨みつけた。
甲高い声で言う。
「それでも私は貴女を知ってる。貴女は私を知ってる。初対面だけどっ!だけど、貴女は私を知ってるはずなのよっ」
と。
少女はそのまま泣き崩れた。
私はただ、呆然としていた。
…何ソレ?
と言いたくなる気持ちを抑え、
この子の話に耳を傾けることに
した。
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