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「ちょっと、燎華(リョウガ)!また、散らかして!」
「はいはい…なら勝手に片付ければいいだろ。」
私の部屋で横になってお菓子の屑を散らかしている男は気だるげに言う。
この男はいつもこうだ。
赤色の髪に寝癖がついているのは気にもとめず、私の部屋でぐうたらと過ごす。
燎華と初めて出会った時は赤い髪が腰までありボサボサ、それと比べれば今は髪は短くなり未だ!
だらしなくはないし清潔感もある。
「ほら、欲しいならやるよ。」
畳の上にお菓子の袋が投げられた。
「だから、そういう問題じゃなくて…って!?もう一袋食べたの?!
しかも、これゴミ……。
さ…最低―――!
鬼が何お菓子食ってんの!」
そう彼は私が契約した鬼だ。
人間と食べる物は違い鬼は生き物の生気を生きる糧としている。
別に、鬼が人間の食べ物を口にするのは珍しいことじゃないけれど。
「もらってるけどな。何か物足りねぇっていうか。………なんつーか、暇なんだよ。」
「私のお菓子を食べるくらいなら…朝ご飯を食べろ!馬鹿!」
この鬼は、甘い物しか口にしない。
しかも、私が部屋に隠しているお菓子を嫌がらせのごとく見つけ出し食べるのだ。
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