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鬼の角。
それは、鬼にとって力が集まる重要な部分でありそう易々と折れるモノではない。
私が契約した鬼には名もなく、鬼の力の源でもある角も何故か折れてしまっていた。
疑問は残るが、そのせいか燎華の霊力は私よりは高いが鬼の中では低く、下級鬼と言われても仕方ない。
「千景。朝から零に絡まないのよ。」
隣に立つ鬼の主であり私の姉である神風千沙。
霊力が低く本家では荷物扱いの私とは違い、将来有望な本家の跡取り。
千沙姉さんが高校を卒業したら現在の当主様は当主の座を彼女に譲り渡すそうだ。
「ごめんね…?零。」
「う、うん。」
千沙姉さんは苦手だ。
いつも笑顔が絶えない人。
「零。ふぁ~…遅れるぞ。」
燎華の一言で緊張が解けた。
「あ、嘘?!えっと、千沙姉さんも遅れないようにね。」
間抜けな欠伸に拍子抜けした感も否めないけれど。
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