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「そう言えば…燎華って、何で角が折れてるの?」
登校中、隣を歩く燎華の頭には角はない。
これは霊力を抑えてるためらしい。
折れた角はどこにも見られなかった。
「あぁ………それ。」
ごくりと唾を呑み込む。
決して良い話ではないはずだ。
「さぁな、忘れた。」
「…………あっそ。」
予想していた答えなだけにがっかりはしなかった。
「まぁ、いいや。そう言えば千沙姉さんは今日の朝から仕事なんだね。」
千景は燎華と違い主である千沙と同じ学校に通ってはいないから格好が制服ではないのは当たり前だけれど。
先刻の千沙の格好が制服ではなかったということはそうなのだろう。
「仕事か…」
「お前には無理だ。」
「わっ、分かってるよ!千沙姉さんと私は違うもん。」
仕事とは怪奇現象により神風家に来る依頼を指す。
私の実力では到底無理だ。
「死に行きたいなら止めないがな。」
「そこは止めようよ!」
私の鬼でしょう!?
でも、本家に言われるまま鬼と契約したのは良いけど私に意味があったのかな。
千沙姉さんと千景は
主従関係の模範と呼べるだろう。
千沙は千景の力を使い守られ、千景は千沙から生気を貰う。
私と燎華は……?
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