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知らず眉間に皺がよる。
「………何のために?」
「ん~…零のため?」
「どこが私のためなの。」
私に何かメリットになるようなことある?
デメリットになるようなことなら沢山あると思うんだけど…。
例えば……
「私が大事にとってたお菓子食べちゃうし…、私の部屋をすぐ散らかしちゃうし…。」
「へー、仲いいんだね?」
「へっ!?何がどうなったらそうなるの!?
そりゃあ…仲は悪くは…ないと思うけど。」
楽しそうに笑う紘子に歯切れ悪く答えた。
「ほら、早く探しておいでって!」
ぐいぐいと背中を押される。
「えっ、ちょっと!?でも…。」
「あっ、あとこれも忘れずに。」
そう言って渡されたのは私の弁当箱。
今はお昼休み、一緒に昼食を食べてこいってことなんだろう。
「けどっ。」
ここで素直に頷くのは嫌だった。
「大丈夫!私も行くからね?」
そう言われれば、何も言えない。
「はぁ…分かったよ。」
盛大にため息をついた。
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