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教室を出ると様々な生徒達とすれ違う。
燎華とすれ違ったりしないだろうか。
目で追うけど居るわけないか、燎華が好む場所は人混みが少ない所だ。
「ねぇ、燎華君ってやっぱり屋上だよね?」
「うん、多分っていうか絶対。」
そう言って紘子をチラリと見た。
「ねぇ、顔色…大丈夫?」
「えっ、うん!大丈夫だよ?」
また、強がっちゃって。
紘子の視線の先には、霊の類が浮かんでいる。
私と紘子は霊感体質ながら、その手の物が見えてしまう。
私は、別に苦手じゃないけど。
紘子は、顔色が真っ青になるくらい駄目らしい。
顔にも出やすいせいか、彼女の周りは気味悪がってクラスメートは近寄らなかった。
友達になったのは、小学生の時に私も似た経験があるからほっとけなかったのもあるかもしれない。
「ぅ、うぁぁぁぁぁあ!?」
それは突然の奇声だった。
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