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駅前の交差点を跨いだところに選挙カーは止まっていた。
立ち止まる人はちらほらいるものの、ほとんどの通行人は早送りのように流れている。
「どこかでこの腐敗した政治に歯止めをかけなければいけません!」
耳障りな大音量が構内に鳴り響く。
車の屋根の壇上に登っている男はネーム入りの襷を掛けていた。
「抜本的改革」
車には黒地の白文字でプリントされていた。
「今こそ日本に新しい風を!!今こそ日本に変革を!!」
選挙カーの下。
シャフトがうごめいているタイヤの付け根に何か赤く光るものが取り付けられている。
その瞬間、マイクの音に掻き消されてしまっているが、たしかに警告音が鳴り響いた。
次第に音が大きくなる。
数秒後、辺りは木っ端みじんにはじけてしまった。
世界が終わるように・・・
そしてこれから始まる惨劇の始まりだったことをこの瞬間、誰が思っただろうか。
心なしか選挙カーから流れ出た血は、
Rのようだった。
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