三月 -雨と出会い-

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今日から5年生だというのに。 朝からバケツをひっくり返したような激しい雨が音を立てて降っている。 いつもなら嬉しいはずなのに。 お気に入りのクツで来たため、ずぶ濡れになってとても悲しい。 「うーん……」 「ユタ、どうしたの? 」 教室に入るなり、ボクを見て眼鏡を拭きながらタカシが話しかけてきた。 「……何でもない。タカシ、また一緒だな。よろしく」 ボクは仲良しのタカシとまた同じクラスだと知り、クツのことなど忘れて喜んだ。 .
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