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辺りは誰もいない。 ブランコは、無人で揺れている。 木造の椅子は折れていて、すべてが壊れていたり錆び付いている。 もみじが1枚……2枚と、ひらひらと自分の周りに舞い踊っている。 そんな古い公園に、自分は連れてかれていた。 「なんでこんな公園?」 自分は疑問に思った。 デートとはデパートで買い物や、カラオケに行ったりするものではないのか? デートをしたことがないので、デートについてはなにも知らなかった。 「えっデートなんてどこでもいいじゃん!」 ケラケラと笑いながら話している。 「ここよりデパ地下いかないか?」 公園はさすがに話すきっかけが作れなさそうだったので、場所を変えたかった。 デパ地下においしいクレープが、売ってる所にでも連れて行くか。 「わかった!ぢゃあ賢一の行きたい所に行くね!」 そんな子供のようにはしゃいでいる彼女はなにか言いたそうに感じた。 「うまいクレープ屋あるから連れて行ってやるわ。」 そう言うと彼女は今までで一番の笑顔を見せて、 「うん!連れて行って!」 と答えた。 、
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