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「大丈夫か!?しっかりしなさい!」
中島の頬を救急車から出てきた男が軽く叩いた。
しかしまったく返事はない。
そして中島は救急車に乗せられた。
“ピーポピーポ”と救急車独特の音が響いた。
自分は最後まで何もかもが解らなくなった。
急に足の力が抜けてコンクリートに足をぶつけた。
足からは血が出てきた。
「雅……」
このとき自分は初めて自分は彼女を名前で呼んだ事にきずいた。
目からは涙が出てきた。
「ごめんな雅!本当にごめんな…」
自分は早く彼女の病院に行かなくてはいけないはずなのに足が動かなかった。
「動けよ!いつもみたいに走れよ!」
涙で声が震えていた。
自分は自分は彼女の事を守れなかった罪悪感で頭がいっぱいだった。
周りの人々は自分だけを置き去りにして消えていった。
ポタッポタッと雨が降り始めた。
雨は自分の所だけ降っているように感じる。
、
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