旅立ち

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彼女が居なかった。別の部屋に移動したのか考えてたら、看護婦がやってきて、彼女が居た場所のベットの後片付けを始めた。僕は居なくなった彼女の事を看護婦に聞いてみた。 「あの…」 「ん?何かしら?」 「彼女は…?」 手を止め、暗い顔。暫く経った時、看護婦がこう言った。 「彼女…夜中に容体が悪化してね、夜中に亡くなったの…」 「え…今、何…て…」 暗い顔しつつも、看護婦は正直に言った。 「彼女はもう…この世から去った…頑張って生きてたのよ?…きっと天国に行けるわ…」 「そ、う…です…か…」 看護婦の声は震えてた。本当は言いたくなかったのかも知れない。けど、正直に言ってくれて嬉しかった。でも、僕の心は何かに取られたかように穴が空いた。
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