夢の世界

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何度か滑り落ちるも、何とか登りきった。登りきって、辺りを見渡したら、この銀世界は真っ白い積もった雪と、雪の反射で輝く数本の木だけだった。 後は何も無かった。家も、学校も会社もお店も、何も無かった。あるのは木だけ。そんな世界は寂しかった。でも、これはこれで良かった。自分の世界を、自分だけの世界を馬鹿にされず、誰からにも邪魔されない。でも、僕は一本の木の上に居る。色々考えると、この銀世界は僕が作った世界。飛び降りる前、虐められてる時に作った世界。この世界は僕が作った物語。そこで、人形のように動かず、ずっと同じ景色を見るだけの世界。何も変わらず、ずっと見続ける。寂しくて、寂しくて。誰かと語り継ぐ物語を話したい。 そんな事を考えた時、ふと、誰かが居たような気がする。
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