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「また会ったね。」
微笑みながら彼女が言った。本当にぼーっとしてるのか分からないが、意味が分からず顔を傾けた。彼女の口が、また開く。
「夢の世界で会ったじゃない。覚えてない?」
「夢の…?」
「貴方の世界。辺り一面雪で覆われてたじゃない。」
「あっ…!」
その言葉を聞いて思い出す。夢の世界。僕が作った銀世界。そこで、僕しか居なかった世界。けど、僕の目の前にいる彼女は僕の世界に居た。僕の隣に。
「ようやく思い出した?ずっと話掛けてたんだよ。」
そう言う彼女。そう、彼女は僕に話掛けてた。僕はそれに気が付かなかった。気付けなかった。
「本当に…君なの?」
「そうだよ。」
「…ごめん。気付けなかった…」
「別に良いのよ。」
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