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けど、彼女の声らしき声は、まだ聞こえていた。何て言ってるか分からないが、歌っているようだった。でも、その声は何処かしら寂しくて、悲しそうだった。僕はその歌を聴きながら眠りに入った。そして夢の世界。彼女が居た。彼女の近くに行き、話掛けようとしたけど、話掛けられなかった。彼女は泣いていた。悲しい顔。寂しい顔をしていたから。
「大丈夫…?」
それしか言えなかった。何を言ってあげれば良いか、分からなかった。そして、彼女はスゥーッと消えてしまった。小さな小さな雪のような丸い物が、空に浮かんでは消えてった。
「本当に…君は僕が作ったこの世界に居たんだね。」
空を見ながら言って、夢の世界から目を覚ました時。
――――僕の向かいのベットの上に、彼女は居なかった――――
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