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あれからというもの、新入生の間にはこの世の終わりともいえるどんよりした雰囲気が流れ続け、話は全て終わった。
「英治!クラスわりみてきたよ!」
「あー…そう」
英治もその一人だ。脱力して椅子に深く座り込み、どこか分からない遠くを見つめている。
「英治と同じクラスだったよ!しかも寮の部屋も一緒!やっぱり凄いね僕達!」
「そうかいそうかい…ヨカッタネー」
「・・・」
秋人はずっと平然を装っていたが、いい加減ウジウジしてる英治に腹がたったのか片手を大きく振り上げた。
その瞬間。
パシンッ
「いってぇッ!!?」
英治の叫び声が体育館中に響き渡る。
静かな体育館に響いた突然の大声に、当然周りの視線は一気に英治達へと向いた。
「な…なにすんだよ・・・秋人」
「どう?目覚めた?」
秋人は眉間にシワを寄せると、イライラしたように腕を組みながら英治を見下している。
「男のくせにいつまでウジウジしてるの!?」
「だ、だってそれは・・・!」
「だってもそれもいらない!」
「えぇ・・・」
「分かったの、分からないのどっちなの!?ハッキリと言いなさい!」
「は、はい・・・!わかりました・・・」
英治は叩かれた頬を手で抑えると、今自分が置かれている状況が理解できず、目をパチパチとさせる。
秋人は目を細めて英治を疑いながらも「よろしい」と一言言った。
が。
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