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「まったく英治は・・・・・
って・・・・・はっ!…あ、ど、どうしよう…は、はずかしっ…」
秋人は周りから注目されていることにやっと気がついたのか、恥ずかしさのあまり涙目になりながら真っ赤になる自分の顔を両手で押さえた。
英治は秋人がいわゆる内弁慶だということを知っている。
親しい人以外の前じゃ、恥ずかしがってまともに話すこともできないのだ。
「ちょーしに乗るからだバーカ」
英治はざまぁみろと笑いながら舌を出す。
「え、英治・・・ぼ、ぼ、僕・・・さ、先に教室行ってるね!じゃあ!」
そう言うと秋人は物凄いスピードで体育館を出て行った。
「え、ちょ、秋人!じゃあって!俺教室どこかわからな…」
英治は教室までの道のりをすっかり秋人に案内させるつもりでいた。
ため息をついて頭をかく英治。
仕方ねぇ…まぁ残ってる奴らの後ついていけば教室っぽい所には着くだろ。
「・・・・・・・・ん? チッ・・・なに見てんだよ!」
周りにいた生徒達がジロジロと怪奇な目で見ていたため、英治は怒鳴った。
すると驚いた生徒達は、咄嗟に英治のことはなかったかの様にゾロゾロと体育館から出ていく。
「ったく秋人の奴…」
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