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「どうかしましたか?」
突然背後から声がしたため、英治は反射的に振り向いた。
だがすぐその行動に後悔することになる。
「げっ……」
イカれた生徒会共じゃねーか・・・
英治が振り向いた先に立っていたのは生徒会の5人だった。
しかもなぜか皆怖い顔をして立っている。
「いやぁ、大したことじゃないっていうか…」
するとさっきデカイ態度で話していた生徒が一歩前に出てきた。
よく見るとその人物は、学年を示す黄色いタイピンの他に“会長”という文字が掘られた赤いタイピンを付けている。
こいつあんな態度で三年だった上に会長だったのか・・・もうこの学校に対して不安しかねぇ・・・
「大したことじゃないのにあんなに体育館が静まるのか?」
うわー、めんどくせぇパターンだこれ。
目の前にいる会長は、今にも英治に説教をしてきそうな雰囲気だった。
英治は項垂れる。
しかしここで揉めるのも嫌だった英治は、素直に謝ることにした。
「すみませんでしたー…」
だが明らかに反省していないトーンで謝る英治に、生徒会は眉をしかめた。
英治はつんと強気な態度でいる。
なんてくだらない張り合いをしているうちに、体育館にはもう生徒会と英治を含めた少しの生徒しかいなくなってしまった。
その静けさのためか、少しの沈黙でも英治と生徒会との間に流れる対立の雰囲気がひしひしと伝わってくる。
とその時。
「へっ」
腕を組んでキスをしながら歩く2人の“男”が英治のすぐ横を通った。
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