2998人が本棚に入れています
本棚に追加
この学校は学年によって靴の色とタイピンの色が違う。
三年生の色は黄色、二年生の色は青色、そして英治達新入生の色は緑だ。
キスしてた方の上履きとタイピンは青。
されていた方は緑だったため、英治はすぐ新入りと先輩だったことが分かった。
この学校に女生徒などいるわけがなく、両方ともしっかりとした男だった。
「見てない見てない俺は見てない見てない見てない俺は見てない」
英治は壁に頭を叩きつけて必死に現実逃避し、まるでお経を読んでいるかのようにぶつぶつとなにかを呟く。
必死にごちゃごちゃになった思考回路を元に戻そうとしていた。
「・・・どうかしましたか?」
突然後方から聞こえた柔らかな声に、英治は肩を大きく震わせ、ロボットの様に声がする方向へと首を回す。
ガチガチで振り向いた先にいたのは、英治より少し背の低い眼鏡をかけた美少年だった。
タイピンと上靴の色が青・・・!
何年かは知らんが先輩なのは確かなはず・・・。
で、でも、なんて悪いタイミングで来るんだよぉおお~~~っっ!?
英治はどう反応すれば良いか分からず、アホな顔をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!