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「…起きて下さい、理事長。」
と言うより、理事長がこんなにゆっくりしていていいのだろうか?
「んー…サチ、ひなちゃんのお嫁さんらもん。りじちょーちらう。」
…全く起きる気配がない。
…?気のせいか、酒の匂いがする。…酔ってこっちに間違って来たのだろう。
しかし、自分も学校の用意をしなければならないし、第一理事長がこんなにゆっくりしてはいけないと思う。
→・起きないとキスしないよ?
・すみません、理事長(そしてビンタ)
・授業中寝てるやつあっかよ!?
「…幸恵、起きないとキス…しないよ?」
…勇気がガッチリ上がった気がする。同時に何か大切なモノが崩れた気もする…。
ガバッ
「キスっ!?…あれ?ひなちゃん??どったの?」
今までのいきさつを話した…。
「あー…、昨日あの後照れ隠しにーって思って、飲んだんだと思う。時々あんのよねー…酔ってここで雑魚寝しちゃうことって。涼しいから…つい。」
「つい」で隣に寝られたら、たまったものじゃない。
「でも、何か夜中で寝てたら…スッゴく幸せになったんだけど…思い出せないー!って…ひなちゃん、今何時?」
その一言にとっさに壁にかかっている時計に目を向けた。
7時15分…。
「…始業式の準備、まだだった。」
声を震えさせながら顔をこちらに向かせている。
「ひ、ひなちゃん…助けて…!!」
→・理事長、ファイト。
・手伝おうか?
・諦めろ。
・フレーフレー、さ・ち・え!
「…理事長、ファイト。応援してます。」
「あ、ありがとう…じゃなくて…!!」ダッ
何かを言おうとしていたが、瞬時に部屋から出て行った。
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