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人波の最後列の人に、少し道を開けて貰えないか尋ねた。
「は、はぃ!!///」
素直に開けてくれた。
お礼を言い、次々と前に進んでいった…
丁度自分の身長で文字が見える位置までたどり着いた。
「あ、あの…もう…その…て、手をぅ…///」
そういえば、ずっと手を繋ぎっぱなしだった。
・手を離す
→・名前を聞く
・手にキスをする
「…ところで、あなたの名前は?」
「ふぇ?えと…千堂寺由菜(せんどうじゆな)と言います。な、何でそんなこと…というより…手をぉぉ…///」
千堂寺…珍しい名字なので、すぐに見つかるはずなのに、そのような名前がなかった。
由菜に名前がなかったことを伝えた。
「ぇえ!?わ、私の名前がないんですか!?…どうしよう…わ、私だけ…さ、ざんねんぜいになれながっだでず…うぇぇ」
…どうやら、ここを三年生の掲示板と間違えていたようだ。
確か三年生は3階だったはず。
由菜に三年生の掲示板は3階にあることを伝えた。
「ふぇぇ…、え?ここって…二年生の…あぁ!!ま、間違えました!す、すみませんっ!親切な方、有難う御座います!!」
急にぱっと手を離し、パタパタと階段に走っていった。
途中で階段から人が倒れた音と、変な悲鳴が聞こえたのは幻聴だろうか…?
そろそろ自分のクラスを見ておこう。
…名前の右に2ー1と書かれている。
1組の教室は東の端だったはず。
急がなくては…。
-愛海女子高校 2ー1教室前-
1組の教室が見えたと同時に、ピンク色のスーツを着た若い女性がいた。
「あなたが、日向子ちゃんね?私が今日からアナタの担任になります工藤亜希子(くどうあきこ)と言います。よろしくね!」
担任だったようだ。
→・よろしくお願いします。
・先生、綺麗ですね。
・アイアム、しゅ
「…よろしくお願いします、工藤先生。」
「亜希子。」
?
「亜希子って呼んで。後、先生も要らないから。」
さっきの笑顔から一変、真剣な顔に変わった。
・分かったよ、亜希子。
・無理です、先生。
・亜希ちゃんで手を打とう。
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