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バス停から車に揺られて30分…
「ほら、さっき言ってた屋根が茶色いの。あれが今日からあなたの家になるの。」
右手片方で運転しながら、左手で指を指した方向には確かに、屋根が茶色いごく一般的な一軒家が建っていた。
「お母さん…危ないから、ちゃんと両手で運転して。」
「あははー…我が子に怒られちった!」
…鈴の言うことがもっともなのだが、何故かそれを物ともしない幸恵に、少し感動を覚え、自分からも注意した。
「んー貴女から言われるとは思ってなかったわ。分かった、善処しまーす。」
…信頼できるのだろうか。
植木家玄関前-
「着いたー!あー…長かった…。」
確かに、自分が到着するまで約一時間半待っててくれたらしい。多少の気疲れがあるはず。幸恵に感謝した。
・有難う。
→・肩揉もうか?
・幸恵さん素敵ー!幸恵さんカッコいー!!
「…肩、揉みましょうか?」
「え?胸?マジ!?…貴女がその気なら、わ…私…うん。決心し「お母さん、肩だから。」あははーデスヨネー。チッ」
…深く聞かないでおこう。
植木家内-
「どうぞ何処にでもくつろいでー。寝っ転がっても良いわよ~あとで美味しく「お母さん、お茶。」わーったわよ、はいお茶っ葉。」
家の中は特に注目するところがなく、本当に普通の家。キッチンにはテーブルと4つの椅子があり、リビングにはコタツぐらいの脚のテーブルと4つの座布団にテレビが一つ。
テレビからテーブルを跨いだところに大人2人分が座れるぐらいのソファーが置かれている。
二階建てらしく、キッチンの左から階段が見える。
階段を渡らず、真っ直ぐ行くと幸恵と鈴の部屋。二階の一室は自分の部屋に空けてくれた空き部屋。荷物はもう届いているはずだから、行ったら整頓しなくては…。
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