ー転校ー

4/32
前へ
/179ページ
次へ
バス停から車に揺られて30分… 「ほら、さっき言ってた屋根が茶色いの。あれが今日からあなたの家になるの。」 右手片方で運転しながら、左手で指を指した方向には確かに、屋根が茶色いごく一般的な一軒家が建っていた。 「お母さん…危ないから、ちゃんと両手で運転して。」 「あははー…我が子に怒られちった!」 …鈴の言うことがもっともなのだが、何故かそれを物ともしない幸恵に、少し感動を覚え、自分からも注意した。 「んー貴女から言われるとは思ってなかったわ。分かった、善処しまーす。」 …信頼できるのだろうか。 植木家玄関前- 「着いたー!あー…長かった…。」 確かに、自分が到着するまで約一時間半待っててくれたらしい。多少の気疲れがあるはず。幸恵に感謝した。 ・有難う。 →・肩揉もうか? ・幸恵さん素敵ー!幸恵さんカッコいー!! 「…肩、揉みましょうか?」 「え?胸?マジ!?…貴女がその気なら、わ…私…うん。決心し「お母さん、肩だから。」あははーデスヨネー。チッ」 …深く聞かないでおこう。 植木家内- 「どうぞ何処にでもくつろいでー。寝っ転がっても良いわよ~あとで美味しく「お母さん、お茶。」わーったわよ、はいお茶っ葉。」 家の中は特に注目するところがなく、本当に普通の家。キッチンにはテーブルと4つの椅子があり、リビングにはコタツぐらいの脚のテーブルと4つの座布団にテレビが一つ。 テレビからテーブルを跨いだところに大人2人分が座れるぐらいのソファーが置かれている。 二階建てらしく、キッチンの左から階段が見える。 階段を渡らず、真っ直ぐ行くと幸恵と鈴の部屋。二階の一室は自分の部屋に空けてくれた空き部屋。荷物はもう届いているはずだから、行ったら整頓しなくては…。
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!

740人が本棚に入れています
本棚に追加