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キッチンに来たものの、先程の話をまともに聞いてしまい、冷蔵庫を開けるのを躊躇っていたが…
「大丈夫…ゲル状のなんてないから…。」
後ろに鈴が立っていた。
「あの…えっと…」
鈴は俯いてモジモジしている。
若干顔が赤らめていた気がする…。
・どうした?
→・一緒に作る?
・ちゃんと、言(ry
「…一緒に、作る?」
怖がっている可能性があるので、怒ってない、恐くないことを表すため極力笑顔で優しく言った。
ボンッ
「…コクコクッ///」
素早く鈴の頭が上下した。
そのときに顔が見え、鈴の顔は今度こそはっきり赤らめているのが分かった。
鈴と協力する形で、改めて晩御飯作りを始めた。
冷蔵庫の戸を開けて中を見ると…
ちょうど三人分の野菜カレーが作れるぐらいの材料があった。
早速野菜を取り出し、切り始めた…
30分後…
置いてあった圧力鍋のおかげか、早くも野菜が煮え、後は鈴がカレー粉を入れて焦がさず再び煮るだけになったが…
「…あ、あの…。その…。」
…今度は何も言われなくとも分かる。カレー粉を入れてからその後何をすればいいのか、だろう。経験が薄い小学生なのだ、無理はない。
確か…
・強火でさっと煮る。
・中火でグツグツ煮る。
→・とろ火でじっくり煮る。
・もっと、熱くなれよぉおお!!と言う。
「…カレー粉入れたら火力を弱らせてとろ火にして、じっくり煮込ませるの。そうすると具に味が染み込んでより美味しくなる…?」
正しいと思う答えを言っている最中、鈴を見ると頬をまた赤らめさせながら目を輝かせていた…。
「お…ゃん。」
…?小言で何と言ったか聞き取れなかった。
「お姉…ちゃん…スゴいね///」
お姉ちゃん…初めて言われた。
「ねぇ…お姉ちゃん…、お姉ちゃんが…良かったら…今度から…お、お姉ちゃんって呼んで…いい?」
→・いいよ。
・自分が鈴の姉でいいのか?
・○造でよろしくっ!
「…いいよ。よろしくね、鈴。」
一年間だけだが、家族になるのだ。年上だから姉になるのは当然のこと。
優しく、そっと鈴の頭を撫でた。
「!!…ふぁ、おねぇちゃぁん…///」
最初は驚いていたが、次第にトロンと目が細めた。気持ち良かったのだろうか?
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