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「ちょっ!?鈴、何て素敵体験インポッシボーしてんのよ!!私に代わりなさーい!!」
リビングから幸恵が言葉の如く吹っ飛んできて、鈴を引き剥がしにかかった。
「…さすよ?」
何故か鈴の右手にあるナイフが妖しく光る。
「晩御飯、タノシミダワー(棒読み)。」
幸恵は、わざとらしくリビングに戻っていった。
…そろそろカレーが出来上がる頃だ。
「いっただっきまーすっ!!」
「…いただきます。」
カレーをご飯を盛った深皿にかけ、リビングのテーブルに乗せた。
「…で、私たちは右手で掬いながら食べるのかしら?」
…そういえば、スプーンを忘れていた。
「んー!この野菜の甘さとカレーのスパイシーな辛さが…何とも言えんっ。おいしゅうございやす!」
どうやら幸恵は気に入ったみたいだ。
「そうそう、ずっと気になってたんだけど…。」
スプーンを置き、申し訳なさそうに顔を覗いて言った。
「その…
えっと…
あなたの、名前って…何だったっけ?」
…そういえば、自分の自己紹介がまだだった。
※ここではデフォルトで決定させて貰います。お気に召されない場合、皆様方の脳内変換でお願いしますw
とりあえず、名前と年齢だけという簡単な自己紹介をした。
「あー!西紀日向子(にしきひなこ)!!ひなちゃんだったわ、思い出した!」
幸恵は、さも思い出しました感が溢れるかのように、相槌を打った。
「へー…16歳ってことはもう高校二年生かぁ…大きくなったわね。まぁ、あたしより小さいけどね!」
確か前の学校での健康診断で図ったときは156センチだったはず…。目測だが、幸恵は自分より5~6センチは大きい。
「でもお姉ちゃん、私より大きいよ。」
自分の頭半分低い鈴がフォローしてくれた。
「まぁ名前も分かったことだし、おかわり頂戴っ!」
「お姉ちゃん、おかわりいる?鈴、もってくるよ?」
「おお、立ってるものならなんとやら…鈴、お母さんのも-
「それ、親だから。…わたし、お母さんのお母さんじゃないもん。」トテトテ…
「…我が子は、いつの間にか反抗期到来してました。嗚呼お父さん、遠い空から見てますか?あたし一人で育ててましたがそろそろ限界というものが「お父さん海外出張中。」…憎いのもお父さん似、ね。」
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