月明かり照らす夜

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迎えのフェリーが来るまではおそらくまだ時間があるだろう。 それまでに犯人を見つけ出し、同じような目にあわせてやる。 これじゃあ正当防衛にならないから罪だ? 関係ないね。 罪だろうと、犯人がしでかした罪の何分の一の罪なのだろうか。 仁は怒りに震えていた。 こぼれ落ちる涙が舞の顔に付く。 それを指でぬぐってやる。 「みんな奪われちまったな・・・。あとはあの親父と二人仲良く暮らすのか・・・。」 舞を床に寝かせ、舞の顔を眺めながらゆっくりと立ち上がった。 「・・・武器になるものを探そう。」 仁はぐっと、握り拳を作り物置へと歩き始めた。 足取りは妙に重い。 無理もないが。 時間をかけてゆっくりと確実に歩く。 物置に武器になるものがあったはずだ。 合羽を取りに行った時の記憶を探り出す。 気がつくと仁は物置の前に立っていた。
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