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確かに、客室が八部屋あるなんてのは変だ。
仁は自分の部屋の鍵を見た。
鍵にはプレートが一緒についていて、そこに部屋の番号が刻印されていた。
『2』と書いてある。
「俺は二号室みたいだな。二号室は・・・ここか。」
二号室はすぐそばにあった。
鍵を開けて中に入る。
部屋の中は、まるで高級ホテルの一室だった。
「す、すごいね・・・。」
舞も入って来ていた。
赤いカーペットが敷かれており、大きなベッドが部屋の隅にどん、と置かれていた。
仁は荷物を置き、真っ先にベッドに飛び込んだ。
とたんに、仁の体が宙に跳ねる。
「うわっほい!こりゃすげぇ!トランポリンかよ、これ!」
ふかふかのベッドで跳ねる仁を見て舞がくすり、と笑う。
「ふふ、仁ったら子供みたいね。」
仁は跳ねるのをやめ、舞を見る。
「いや、こんなベッド初めてでさあ。こりゃ童心にもかえるって。」
仁は笑顔だった。
その笑顔を見て、なぜか舞はドキッとしてしまう。
「ん?どうした?顔赤いぞ。熱でもあるのか?」
仁が心配してくれる。
しかし、舞はいち早く部屋から逃げ出したくなってしまった。
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