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「みせつけてくれるねぇ~。」
静馬はニヤニヤした顔で仁をのぞきこむ。
「何をだよ・・・」
仁はあきれた様子だ。
「ん~、夫婦漫才?」
「てめっ、ケンカ売ってんのか!?」
仁が静馬に掴みかかろうとしたとき、また一人、仁たちに近付いてくる者がいた。
「ばっか兄ー!」
「ぐはっ!」
仁に勢いよく抱きついたのは、仁の5つ下の妹、彩乃(あやの)だ。
黄色いシャツをきて、ミニスカをはいていて、髪を両サイドで結んでいる。
ミニスカなぞ小学生にはまだ早いと仁はいつも思っているが、これは裏話だ。
「バカはお前だ、バカ!急に抱きつくな!」
彩乃はうー、と不満げな顔をした。
「だって~、暇なんだよぅ。」
彩乃は少し俯く。
「舞に遊んでもらえよ。舞なら遊んでくれるだろ。」
仁は屈んで舞に言う。
「だってね、舞ちゃんね。」
彩乃はゆっくり顔をあげていう。
「ん?」
「お兄ちゃんと舞ちゃん、楽しそうに夫婦漫才してるんだもん!」
彩乃が大声で叫ぶ。
「・・・。」
仁は絶句した。
「あははははっっ!妹にも夫婦漫才って思われてるのか、仁!」
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