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「やっと着いた・・・。」
仁はため息を漏らしながら言った。
この船旅は約二時間。
船旅の前にはバスに約三時間揺らされていた。
初日で疲労はほぼピークに達していた。
「なにおっさんみたいなこと言ってんのよ、仁。」
そう言いながら仁の背中をポンポンと叩くのは、皇城高校オカルト研究部部長の東雲沙希(しののめ さき)である。
「沙希さん・・・。考えてもみてくださいよ。五時間ですよ!?五時間も乗り物に乗ってたらおかしくもなりますよ!」
仁は沙希に抗議した。
しかし、仁の話しなど沙希は全く聞く耳を持たなかった。
「だらしないわねぇ。それでも男なの?」
沙希は風になびく漆黒のロングヘアーを押さえながら言った。
沙希は仁の1つ上の先輩にあたる人物だ。
学力は全校トップクラスで、容姿も素晴らしく、他の生徒からの信頼も厚い皇城高校の生徒会長だ。
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