稽古後

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脚本「さあ、サイレンがなったぞ。プレイボール!さあ見せてくれ、キリエ君!君の愛とはなんだ?」 赤いランプが回りはじめ、再び辺りは戦場に変わる。 キリエ「なに、これ」 ゆうじ「さっきと同じ?ここはどこだ」 キリエ「脚本!」 脚本家はいずこともなく消えている。代わりに演出家が立っている。(脚本と演出は同一人物である) 演出「さあ、見せてくれ。愛とはなんだ?」 キリエ「私はあなたを愛してるわ。たとえあなたが求めるのが体だけだとしても」 演出「どうしてわかる?私の心のうちを。何故体と心を切り離す。お前を抱いたこの腕はそんなにも冷たかったか?」 キリエ「温かかったわ。凍えてしまいそうなほど。」 演出「それではまるでタイタニックだ」 キリエ「そうよ。決して結ばれることのない痛みに凍えるだけだわ」 演出「ならばいっそ沈んでしまえばいい。海の底は暖かい流れがめぐっている」 キリエ「その流れはどこにもたどり着かないわ」 演出「たとえそうだとしても、それだけの価値はあるだろう」
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