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「それで、お前は何しにきたんだ?」
土方の言葉に皐月はここにきた本来の目的を思い出した。
「あぁ、ここに髪の毛切るためのハサミってある?」
土方は眉を寄せた。
「裁縫につかうはさみはあるが髪は…多分ねえな。なんでだ?」
「あ、じゃあいい。ここでは髪の毛ってどうやって切ってんだ?」
土方の質問をサラリと流し、本題へと軸に戻す。
「短刀かなにかじゃねえか?」
その返答に皐月はやっぱりな、と呟く。
だが玄武はよほど土方が気に入らないのだろう。
また何かを言おうとするが皐月はそれに気づき、素早く止めた。
「ああ、その邪魔な前髪を切るのか。器用なやつらにやってもらったらどうだ?斎藤あたりは上手いんじゃねぇか?」
なぜ髪の毛を切る道具なのかもう一度聞こうとした土方は、皐月本人を見て察する。
そしてどこからか短刀を取り出してきて皐月に渡した。
「気が利くじゃん。ありがとな。じゃあ斎藤にでも切ってもらうとするよ。」
短刀を受け取った皐月はそう言って、玄武と共に土方の部屋を出た。
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