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沢山の記憶の中で一つだけ強烈に覚えているモノがある。
その日も私はいつものように託児所で母のお迎えを待っていた。
深夜に迎えにきた母は珍しく不機嫌な顔をしていた。
「美夢帰るよ。」
と、ぶっきらぼうに言い私の手を引いて歩いていく。
いつもと違う母の様子に戸惑いながらもヨタヨタと後をついて歩いた。
託児所から少し離れた大きな通りに出たところで母は一台の車の前で止まった。
「美夢乗って。」 そう言いながら後部座席のドアを開けた。
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