幼子時代…。

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「車を停めてくれたら閉めます。停めないならこのまま飛び降ります。」 運転席を睨みながら母が言った。 「わかった!停めるから!頼む今すぐ閉めてくれ!」 男は慌てながら車のスピードを落としていく。 もう少しで車が停まるくらいのスピードになった瞬間 母は助手席から飛び降りた。 車は直ぐに停まった。 地面に転がった母は起き上がりドアを開け私を降ろした。 運転席で呆然とする男に向かって 「それじゃぁ~店長お疲れ様でした。失礼します。」 と挨拶し私の手を引いて歩きだした。 手や足に擦り傷を作りながら私の手を引いて笑顔で歩く母に 「お母さん痛い?痛い?」と聞きながら二人で家路についた。 .
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