優曇華の花…その二

3/4
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
日曜日、 ゆっくり朝起きて、 母に、 「貴方っ結婚して、お姑に仕えたら、 こんな事、許されないわよ…」などとお小言をもらいながら 台所でコーヒーを飲む為に、 食器棚からスプーンを取り出そうと、 引き出しに手を掛けて視線を降ろすと、 引き出しの前に 何やらついているのです。 何だろうとよく見ると、 3センチにも満たない 透明な糸の先に白い楕円形の卵が 束になっている。 もしや、 これが優曇華の花? 慌てて母を呼ぶと、 心配ないから と言いながら。 真剣に南無阿弥陀を唱えながら優曇華をむしって、 仏壇にあるお祓い塩で清めました。 これでお母さん大丈夫なの? 誰も亡くなったりしないの…?と、聞くと、 どっちかな…と深刻な顔してから、 突然私をみて、 「保乃、 約束して、 これから先、 私が良いと言うまで、 車は、一切禁止!! 会社も今まで通り、 自転車で往きなさい。」  と、命令口調でいうのでした。 私の母は、年を取るにつれ、 霊感が増してきていると、いうか、 妖怪化してるのか、 母の言うことが最近、 良く当たるので、 逆らえないというか、信じてしまう為、 あまりの深刻な母の顔に、私は、渋々了解しました。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!