*半年の代償*

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「…お前…それ…どういう意味かわかってるの…?」 声が震える。 彼女はコクコクと頷く。 彼女の肩に置いてある手に力が入る。 「…んで……ッ なんで俺に何も言わないだよ!!!!!」 悔しかった 「…俺…は…」 悔しかったんだ、すごく 「…なんでだよ……!!!」 なんでこいつと一緒に居なかったんだよ なんで1人にしたんだ 「ごごごめんなさ…ごめんなさいごめんなさい」 彼女は怯えていて、涙を流して謝ってきた。 謝られても、困る。 「…許さんよ…」 低い声で呟く。 彼女の体はより一層ガタガタと震え、涙がポロポロとこぼれ落ちる。 「…なんで別れるとか言うんだよ…」 弱々しくつぶやいて、 強く体を抱き寄せる。 離れたくなかった。 ほんとに…好きなんだよ…? 「ダメ…だよ…ゎ私…もう前みたく戻れない…」 彼女は俺を引き離そうとする。 「…それでも…好きだ」 彼女は言葉に詰まってるようだった。 「…もう1人にしないから…これから2人で…頑張ろう…?」 彼女は緊張が取れたかのように、頷きながら声をあげて泣く。 俺も静かに涙を流す。 絶対離さないからな。 ずっと一緒にいるから…───  
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